ハームレ社 5軸マシニングセンタ
Cシリーズの基本構造
- @ 衝突対策
- マシニングセンタに事故が起きた際のダメージとロスタイムを最小限に抑えるために、Cシリーズ(一部を除く)は多くの保護機構を備えています。その一例がスピンドルに対応する"衝撃吸収ブッシュ"です。クラッシュ時にこのブッシュが変形することによってZ軸方向の衝撃を吸収します。
- A 人造石一体型フレーム
- ハームレ社は精度アップの根幹策として「石」を採用しました。精密測定機に花崗岩が採用されているようにハームレ社の5軸マシニングセンタフレームは、花崗岩とほぼ同じ材質の人造石で作られた継ぎ目のない一体構造です。これにより、@剛性が高く A温度変化が少ない B振動・共振しにくい、3つの基本要素が得られ、高い精度を実現する基礎が出来上がりました。(C52, C60は鋳造)
- B 優れた接近性・作業性
- 開発当初より5軸加工機に求められる要素が配慮された設計になっているためコンパクトな外観からの想像をくつがえすほどの広い加工範囲と接近性を有しています。
- C オフセットX軸
- X軸は2本のスライドレールとそのセンターに配置されたボールねじから構成されています。2本のレールを前後にオフセットすることによってレール間のスパンが長くとれると共に主軸からのモーメント(力)を分散することができるため高剛性を実現しています。センターに配置されたボールねじは、レールに対してねじれ方向の無理な力を受けず高い精度を維持します。
- D ハームレ式ガントリーレール
- Y軸は、3本のスライドレールをトライアングル上に配置した3点支持という独特な設計(特許)です。従来の2本レール4点支持に比べて"ねじれ"がありません。また、動き始めが極めてスムーズで、微小の動作指令にも追従します。
スライドレールは剛性の高いフレームに取り付けてあるため"たわみ"が発生せずに平衡度が常に保たれます。
- E ピックアップ式ATC
- スピンドルがフレーム内に収められた回転式マガジンから直にツールを交換する方式のため、構造と動作がシンプルでメンテナンスが容易です。
- F トラニオン機構 ダイナミックA軸
- A軸はマシニングセンタのサイドフレームに直に大口径のベアリングを固定すると共に左右両側に高トルクのサーボモータを配置しています。これにより重量物やパワフルな加工にも高い精度を保証します。
ハイデンハイン社製コントローラを標準装備
- ● 高精細で高速、安定した加工を実現する
- 標準装備されるハイデンハイン社製コントローラー iTNC 530では、より繊細で正確な切削を高速で行えます。ハードディスクを搭載することにより、膨大なデータを瞬時に入力する事ができ、大きなプログラムを効率的に編集できます。切削加工中に次のプログラムがコントロールユニット上で編集でき、同時にデータインターフェースを介して入出力できます。iTNC 530は標準仕様のイーサネット・データ・インターフェースでサーバコンピュータ、CAMステーションとつなげられます。
スピンドル速度は40,000rpmまで適応制御されタップ加工から高速加工まで安定した回転が約束されます。
加工パスがすばやく演算されることにより高速マシンに特有な不自然な挙動や振動が抑えられ、加工面の高い品質が約束されます。
高精細で高速、安定した加工を実現する [搭載機種:C22/C32/C42 ]
- ● Y軸デュアルレール
- 更なる高速、高加速度のご要望に対応するため、C22、C32、C42はY軸のレールを従来のトライアングルコンセプトを生かしつつボールねじ周辺の剛性を上げるためセンターレールをデュアル化しました。
このため、高速での動きにおいてよりスムーズな動きを実現し、高寿命化も達成しております。
◎関連製品ページ
・マシニングセンタC22
・マシニングセンタC32
・マシニングセンタC42
機械の大型化・高速化を高精度に実現する技術 [搭載機種:C52/C62]
- @ タンデムドライブ(Y・Z軸)
- 機械の大型化及び高速化に対応するために、C52はY軸を、C62はY・Z軸を2モーター駆動システムとし、スムーズでガタのない高速な動きを実現しました。
- A 一体型フレーム
- FEMによる構造解析で最適化された肉厚及びリブ構造を持つ、C52、C62のフレームは継ぎ目のない鋳物一体構造を採用。十分な肉厚と適切に配置されたリブにより高剛性及び高精度を確保しました。
※FEM(有限要素法)
◎関連製品ページ
・マシニングセンタC52
・マシニングセンタC62
旋削機能を追加したMTシリーズが誕生 [搭載機種:C42 MT/C52 MT/C62 MT]
- ● Milling / Turning
- 従来の高精度な5軸マシニングセンタに旋削機能を追加したMTシリーズが誕生しました。
MTの開発に当たり、大型旋盤の技術と安全性を基準に設計し、旋削及び切削加工がワンチャックで行えるようになりました。これにより段取り替え等で生じる精度のズレをなくし、加工時間の短縮を実現しました。さらに特殊な工具を使用すること無く1本のスピンドルで旋削・切削両方の加工が可能です。
また、適切なワークセッティングを容易にするマニュアルバランスシステムが付属しています。
MTシリーズは、5軸加工の精度を維持しながら旋削機能を得ることができる唯一のマシンです。
◎関連製品ページ
・マシニングセンタC42 MT
・マシニングセンタC52 MT
・マシニングセンタC62 MT