愛知産業株式会社(本社:東京都品川区、資本金:8500万円、社長:井上博貴)は、昨年8月、日本の大手パイプミーリングメーカから、オーストリアのリンジンガー社の大型ミーリング装置一式を受注し納入しました。これは板厚10から18ミリの鋼管を加工溶接しスパイラルパイルを製造するラインの設備です。愛知産業は、2013年にリンジンンガー社と日本総販売代理店契約を締結し、以来市場に対して製品紹介しこの度の受注に繋がりました。
リンジンガー社(オーストリア、シュタイラーミュール市)はエルネスト・リンジンガー博士により1946年に設立され、鋼板開先加工装置のリーダーとして65年に及ぶミーリング加工技術の研究開発の経験を積んでいます。リンジンガー社の基礎技術は、ミーリング加工技術であり、この加工技術を応用した商品分野は下記の通り:
- 帯状スチールコイルと金属板の溶接断面のミーリング装置
- ビレット、パイプ、スラブの高速ソーイング装置
- 定置式及び稼働式の鉄道レールの切削補正装置
および顧客サービスとメンテナンス
全製品とも、一切の下請け製造はせず、納入前に本社工場で、自社で試験・検査まで一環として品質管理され、その輸出先は、98%がアジア、EU地域、ロシアなどへ出荷されています。
愛知産業では、昨年には鋼帯(コイル)移動方式溶接断面ミーリング装置を日本市場に導入、エンドユーザのラインで実稼働、鋼管生産性アップに大きく貢献しています。
リンジンガー社のミーリング加工装置の特長:
- 位置センサーによりコイル状の鋼板を自動位置合わせし、その位置情報をとコイルの搬送速度を自動計算してカッターヘッドの押し込み量を自動制御することによって高品質なミーリング加工を維持。
- 油圧サーボクランプでコイル両端のミーリングヘッド位置を制御するためコイルのうねりに対応したミーリング加工が可能。
- シーメンスCNC制御によるタッチ画面で設定されたコイル加工幅が常に維持され、コイル継ぎ等で発生する板幅の異なる局面でも設定されたコイル加工幅のミーリング加工が可能。
- ミーリング装置のネット経由の遠隔自動診断が可能。
また、高速鋸刃歯切断機、高速鋼板開先加工機メーカーでもあるリンジンガー社は外径800mmビレットをわずか4分で切断できる最近大型鋸歯高速切断機を、海外の有力鉄鉱メーカーにロ―リング切断用として「MODEL KSA 2200 DPD」2式を納入している。既に全世界40台の納入実績を持ち、今や鋸を再生するために研ぎにだすことは不要になり傷んだ刃物だけを交換することで、短時間で復帰することができるようになりました。
リンジンガー社の切断機は高速で切断できるだけでなく次のような特長が特に評価されています。
リンジンガー社の切断機の特長:
- 高速切断が可能である。外径80mmの場合8秒、外径330mmの場合60秒、外径450mmの場合3分、外径800mmの場合4分で切断可能。
- 切断時のノイズレベルは80dB以下と静か。
- 切断された鋼材の温度上昇がない。(40℃以下)
- ドライカットである。
- バリがでない。
- 切断ずれは発生しない。
- 切断長さは容積で決めることができる。
また、2013年にはリンジンガー社の独自開発により"LINCUT"と名称される従来のようにカ―バイトチップを鋸葉にロー付する方式に変え、特殊カーバイトチップをボルトでデイスクに固定する技術の特許を取得し実用化を進めてきました。
その特徴は:
- 市販のカーバイトチップソーと比較してより経済効果がある。
- チップソー自体の寿命は市販のカーバイトチップと比較して約3倍長い。
- 工具寿命が長いので作業停止時間が大幅に削減され生産性が少なくとも20%強増大する。
- カーバイトチップは各個々のチップ交換方式なのでランニングコストが大幅に削減される。
- カーバイトチップは他社のチップソーより堅固で寿命が長い。
リンジンガー社は切断機と切断用工具を自ら研究開発する企業であり、切削工具も顧客のニーズに合わせて開発提供するメーカーで、今後、愛知産業では、シームレスパイプなどの製缶に必要なビレット(鋼片)やスラブ(鋼片塊)、鉄道用レールの切断・切削加工を手がける顧客に対し、作業時間短縮とランニングコスト低減が可能なリンジンガー社製品を溶接関連商品と組み合わせて順次市場に紹介する予定です。
以上。