トルンプ社 LMD(レーザ粉体肉盛りシステム)
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LMD(レーザ・メタル・デポジション)は、レーザをワークに照射し,その照射領域に金属粉末を噴射することにより、レーザで粉末を溶解肉盛りするシステムです。トルンプ社の制御性の良いレーザプロセスと、独自の制御機構を持った粉体供給装置をご紹介します。
概要
レーザをワークに照射し,その照射領域に金属粉末を噴射することにより、レーザで粉末を溶解肉盛りする方法です。制御性の良いレーザプロセスと、独自の制御機構を持った粉体供給装置により、下記の優れた特徴を可能にしています。
- 母材の希釈率を低減できる
- 熱ひずみや熱影響部の低減できる
- 肉盛りの厚さを正確にコントロールすることが可能
- 粉末材料の混合比率を正確にコントロールすることにより冶金的に優れた機能をもった肉盛り溶接が可能
装置の構成
- ロボット又は特注システム
- トルンプ社製レーザ発振機
- パウダー供給装置
- お客様に応じたシステムの提供
レーザ肉盛り溶接プロセスの優れた特長
@ 肉盛り厚、ビード幅を正確にコントロール
- 0.1mm 〜 2.0mmの範囲で肉盛りの厚さをコントロール可能、規定の厚さに対して限りなく余盛りを少なくし、機械加工時間を大幅に短縮
- ビード幅は0.3mm 〜 5.2mmの間でコントロール可能
- 金属とセラミックスを合わせることで、金属マトリックス中にセラミックス等の形状を残すことが可能
A ロボット制御により複雑な形状に対応
- ロボットを用いて3D曲面の多種多様な形状に対応
- ドリルコンポーネント、ポンプ、バルブ、ゲートバルブの硬化肉盛
代表的な材料:コバルト合金(ステライト等) - アブレージョン、腐食、剥離に対する高い耐性をもった皮膜の形成が可能
B 造形の創造に最適
- ケーシングなどの、化学反応やアブレージョンによる減厚部分の補修
代表的な材料:インコネル718, 738、6-4チタン等のチタン合金
レーザの利点と他の方法との比較
プロセス | 応 用 | 利 点 | 欠 点 |
---|---|---|---|
溶射 | 耐磨耗 耐熱コーティング |
低投資価格 低レベルの要求に対して適当 |
密着性低い 汚く騒音があるプロセス 積層組織はきめ細かくない |
超音速溶射(HOVF) | 耐磨耗 耐熱コーティング |
多くの材料に対して採用可能 優れたデポジション速さ |
高投資価格 汚くひどい騒音があるプロセス エネルギー消費量大きい 積層組織はきめ細かくない |
プラズマ紛体肉盛り アーク紛体肉盛り |
耐磨耗補修 改良(寸法変更) |
抵投資価格 知名度や実積がある |
希釈律が大きい 入熱も大きい 機械加工量も大きい |
パウダー材質適用例
ジェットエンジン | 石油化学 | 建設機械・林業農業 | |
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代表的な材料 | ・インコネル(718, 738 等) ・6-4チタン等のチタン合金 ・その他のニッケル系、コバルト系合金 |
・コバルト合金(ステライト) ・ニッケル合金 ・炭化タングステン |
・ステライト ・炭化タングステン |
船用エンジン | 産業機械 ※1 | 金型産業 ※2 | |
代表的な材料 | ・インコネル 718 ・ステライト 6, 21, F |
・ステライト 6, 21, F ・タングステンカーバイト ・チタンカーバイト |
・コバルト合金(ステライト) ・ニッケル合金 |
※1:シーリング表面、押し出しシャフト、ガイドのクラッディング、磨耗、剥離、破断、腐食などに対する高耐性組織の形成
※2 各種金型材の補修や設計変更・改造